あいえすえすのだいありー

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大学1年生です。140字では収まらないような事を書きます。diaryじゃなくてdialyになってるのは内緒

僕は新海誠に完全敗北した


 お久しぶりです。ISSです。前期のテストも終わり今日から夏休みになりました。みなさんの中にはもうすでに夏休みという方も多いと思いますがどのようにお過ごしでしょうか。

 実は昨日新海誠氏の新作、「天気の子」を観に行きました。結構話題作となっており僕も前から観たかったのですが正直言うとみるのを躊躇していたところもありました。結構前から僕のブログを読んでいらっしゃる読者さんならご存知だと思いますが、僕は過去に同じ新海誠氏の作品である「君の名は。」を観たことがあり、そして「君の名は。」をあまり好きになれませんでした。そこら辺の詳しい内容は「『君の名は。』とサイレントマジョリティー」を見ていただければわかると思います。

iss-no-dialy.hatenablog.com

 さて、ここからざっと感想を述べていきたいのですが、正直自分の中で考えが纏まってない部分も多々あり映画全体の感想を詳しく述べるのは今回は難しいです。また別の機会にこの映画の感想をもっと詳しく書くことができたらなあと考えてます。また、ネタバレを含むのでまだ見てない人々はこのページを閉じることを推奨します。というわけで僕はいつものようにEnterキーを連打しますのでその間にページを閉じてください。

































 僕の中でこの映画が良作だったかどうかまだ決められない部分が多いのですが、少なくとも「君の名は。」よりは良かったとおもいます(『君の名は。』が好きな方々ごめんなさい)。まず前作と違いOPが映画の雰囲気をぶち壊すことなくスムーズに受け入れられていったと思います。OPが個別としてあるのではなくあくまで映画の1場面のBGMとして存在しているのは前作と異なり良かったと思います。また流れるタイミングも淡々と流れていく新しい生活の日々の場面だったのでそのシーンを飽きずに見続けていられるというところも良かったと思います。

ストーリーなのですが見ている途中までは典型的な「セカイ系」なのかなと思ってました。目の前の大切な人を救うか、それとも世界をすくうために大切な人を犠牲にするか。陽菜ちゃんに死んでほしくない、陽菜ちゃんが人柱にならないと東京の異常気象は収まらない。僕はこの手の作品をこれまでいくつも見てきました。例えば「魔法少女まどか☆マギカ」では主人公の鹿目まどかは自分の身を犠牲にすることを引き換えにすべての魔法少女が救済される世界を生み出しましたし、「結城友奈は勇者である」では主人公の結城友奈が自分が生き残ることを選びつつも世界を救うという結末になりました。この2つの作品に共通して言えることは、大切な人がどういう形であったとしても、少なくとも世界は救われているということです。しかし「天気の子」は違いました。主人公の穂高は陽菜に生きてもらう代わりに東京の天気を狂わせたままにするという選択をとりました。これ以降雨はやむことなく降り続け、いくつかの街は水没するという「ハイスクール・フリート」みたいなことになってしまいました。おそらく僕の実家も沈んでます。

 途中まで見ていてすごく気になっていたのは、穂高が陽菜をあきらめるという選択肢を取ろうとしなかったことです。陽菜が家を出ていかなくてはならなくなった状況でも、警察に捕まってしまった状況でも、穂高は陽菜を救う事ばかり考えてます。僕はここら辺のシーンを見ていて少し冷めてました。好きになった女の子のためにこれだけがんばれるとかどんな強メンタルなんだよと。

 しかし、最後東京が水没することになっても陽菜に生きてもらうことを選んだのをみて一つの答えにたどり着きました。ああ、穂高は東京が水没することを代償にしてでも陽菜を選ぶくらい彼女のことが好きなんだなと。

 ここで僕の前回の記事を読んでいただきたいです。

iss-no-dialy.hatenablog.com

 この記事は僕が彼女を作りたいと思わない理由について書かれてます。その理由は彼女を作るということは何かしらの代償を要するものであり、その代償を払うのが嫌だからといったものです。ただ、ここで言う代償とは自分の自由時間が減る、彼女の気を使わなくちゃいけないのがしんどいといったものでした。

 それに比べての穂高。東京を代償にしてまでも日菜を彼女にすることを選びました。そのスケールの大きさは僕が先ほどの記事で述べた代償とは比較にもなりません。もし穂高君が先ほどの記事を読んだならきっと鼻で笑うことでしょう。

 結局、新海誠氏の作品、「天気の子」はこの一点において僕の考えるスケールをはるかに超えるものでありました。僕はこんなにスケールが大きい恋というものの存在を知らなかったのです。完敗です。かくして僕は新海誠氏に完全敗北したのでした。

 以上が僕の大まかな感想になります。ただ、この作品はまだまだ議論の余地がある作品だと思います。僕もこの作品への見識をより一層深めていきたいと思っていますので、「天気の子」を観た人で僕と語り合ってくださる方募集してます。見識が深まれば、このブログの「天気の子」の感想記事がもう少し増えていくかもしれません。よろしくお願いします。